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Text File  |  1996-06-14  |  51KB  |  2,851 lines

  1. #001
  2. 今日は淳子ちゃんとの初デート。
  3. ~
  4. よーし、のりのいい会話やデートスポット選びのセンスで、
  5. ぼくの魅力をばっちりアピールだ。なんとか二人の仲を進
  6. 展させちゃうぞ。
  7. ~
  8. さあ、腕の見せどころだ!
  9. ~
  10. ;
  11. #002
  12. ということは、だいたい午後6時くらいにはお別れってこ
  13. とか……。
  14. ~
  15. ああ、残念だ……。
  16. ~
  17. ;
  18. #003
  19. うーむ、いいなあ、淳子ちゃん。こんな娘とデートできる
  20. なんて、ぼくは幸せ者だ!
  21. ~
  22. ;
  23. #004
  24. ここは待ち合わせ場所として有名な、渋谷のハチ公前。
  25. ~
  26. デートを楽しむには、どこかへ移動しないといけないな。
  27. ~
  28. ;
  29. #005
  30. ぼくは唐突に、淳子ちゃんへキスをせまった。
  31. ~
  32. ;
  33. #006
  34. 「淳子ちゃん、会えてうれしいよ〜」
  35. ~
  36. 勢いにまかせて、抱きついてそのまま押し倒し一気に……。
  37. ;
  38. #007
  39. 「いやあ、本当にいい天気だねえ……」
  40. ~
  41. とりあえずあたりさわりのない会話をしてみた。しかし、
  42. よく考えたらさっき淳子ちゃんが天気の話をしていたなあ。
  43. ~
  44. ;
  45. #008
  46. 「どこか、淳子ちゃんの行きたい所はある?」
  47. ~
  48. ;
  49. #009
  50. 「その服似合ってるね。淳子ちゃんがひときわキレイに見
  51. えるよ」
  52. ~
  53. ;
  54. #010
  55. 「用事って、どうしても帰らないといけないの?」
  56. ~
  57. ;
  58. #011
  59. 「ハチ公前なんて、ちょっとありきたりだったかな?」
  60. ~
  61. 淳子「そうね。でも分かりやすいし、人が多くても探しや
  62. すいみたいよ」
  63. ~
  64. ;
  65. #012
  66. ここでやり残したことはないかな?
  67. ;
  68. #013
  69. そして、2回目のデートの日をむかえた。
  70. 「ああ、待ち遠しかった。淳子ちゃんは……あ、いたいた」
  71. ~
  72. ;
  73. #014
  74. 今日も淳子ちゃんはかわいいよな。
  75. でも前回のデートと同じ服を着てるぞ。よっぽどお気にい
  76. りの服なのかな。それとも……。
  77. ~
  78. ;
  79. #015
  80. 今回も、待ち合わせはハチ公前。
  81. 場所が場所だけに、他のカップルや女の子も多いけど、ぼ
  82. くには淳子ちゃんがいるもんね!
  83. ~
  84. ;
  85. #016
  86. 「今日はどこに行きたい?」
  87. ~
  88. 淳子「そうね、あなたの連れてってくれるとこならどこで
  89. もOKよ」
  90. ~
  91. くうー、可愛いお言葉!
  92. ~
  93. 淳子「でも、あんまり変なところはイヤよ」
  94. ~
  95. はいはい。それと、前回と同じデートスポットも、基本的
  96. には行けないようになってるんだよね。
  97. ~
  98. ;
  99. #017
  100. 「本当にいい天気で良かったね。雨が降ったりしないか心
  101. 配だったよ」
  102. ~
  103. 淳子「あなたも? 私もちょっと心配だったの」
  104. ~
  105. ;
  106. #018
  107. 「他の男に、淳子ちゃんがナンパされちゃわないか、心配
  108. だったよ」
  109. ~
  110. 淳子「やっだーー。でもー、遅れたりしたら見捨てちゃっ
  111. たかも知れないわよー」
  112. ~
  113. 冗談だろうけど……そうならなくて良かったな。
  114. ~
  115. ;
  116. #019
  117. 淳子「ねえ、けさは何を食べてきたの?」
  118. ~
  119. ;
  120. #020
  121. 淳子「そうなの? 私も和食が好みなんだ」
  122. ~
  123. ;
  124. #021
  125. 淳子「へえ、トーストとか? 私はご飯じゃないと、今イ
  126. チ元気が出ないのよ」
  127. ~
  128. ;
  129. #022
  130. 淳子「あら、寝坊でもしたの? 朝はちゃんと食べないと、
  131. 体力ダウンしちゃうぞ♥」
  132. ~
  133. ;
  134. #023
  135. 街を歩く淳子ちゃんを見ていると……おっ、スカートの中
  136. が見えそうだ。
  137. ~
  138. ;
  139. #024
  140. 上映している映画は、アクション・ラブロマンス・ポルノ
  141. の3つだ。
  142. ~
  143. ちょうど3つとも、もうすぐ上映開始で時間はおよそ2時
  144. 間。
  145. ~
  146. ;
  147. #025
  148. 今は昼すぎで、わりと映画館が混む時間帯。立見は疲れる
  149. から、指定席券を買おうかな?
  150. ~
  151. ;
  152. #026
  153. 売店を見ると、映画のポスターを売っていた。
  154. ~
  155. 淳子「あっ、私この俳優、大好きなの」
  156. ~
  157. ;
  158. #027
  159. ぼくは指定席の券を買った。
  160. ~
  161. 淳子「やっぱりゆっくり座って観たほうが楽しいよね」
  162. ~
  163. ;
  164. #028
  165. さて映画はアクション・ラブロマンス・ポルノの3つ。
  166. 何を見ようか?
  167. ~
  168. ;
  169. #029
  170. 淳子「けっこう面白かったわね」
  171. ~
  172. ハデなアクション映画は、わりと淳子ちゃんの好みに合っ
  173. たみたいだ。
  174. ~
  175. ;
  176. #030
  177. 淳子「うーん、私もっとハデな映画のほうがよかったな。
  178. ホラーとかアクションものとかね」
  179. ~
  180. うーむ。女の子ウケをねらいすぎたかな?
  181. ~
  182. ;
  183. #031
  184. 淳子「恋愛モノってあまり好きじゃなかったけど、わりと
  185. 面白かったわね」
  186. ~
  187. 「一緒に見た相手が良かったんだろ?」
  188. ~
  189. ;
  190. #032
  191. 「ふつう女の子と一緒にこんなの観る? デリカシーない
  192. のね」
  193. ~
  194. あーあ、淳子ちゃん、怒ったみたいだ。(当然か?)
  195. ~
  196. ;
  197. #033
  198. 淳子「一緒にこんな映画観るなんて……その気にさせよ
  199. うって思ったんじゃない?」
  200. ~
  201. うっ、まさにその通りだったけど……。でも意外とイヤ
  202. じゃなかったようだ。
  203. ~
  204. ;
  205. #034
  206. 「淳子ちゃんはどんな映画が好きなの?」
  207. ~
  208. 淳子「そうね。ホラー映画なんかが、けっこう好きなの」
  209. ホラーか……。今やってたかな?
  210. ~
  211. ;
  212. #035
  213. 「淳子ちゃんは、映画をよく観たりするの?」
  214. ~
  215. 淳子「映画館に行くことは少ないかな。たまにうちで、ビ
  216. デオを観るくらいかなー」
  217. ~
  218. ふむふむ。
  219. ~
  220. ;
  221. #036
  222. 「このまえ観たホラー映画がね、あまり恐くなかったけど
  223. 殺しの演出がしつこくて……」
  224. ~
  225. 淳子「へえ、それで、面白かった?」
  226. ~
  227. ホラー映画の話をすると、淳子ちゃんはノッてきてくれた
  228. ぞ。
  229. 「総合的には、わりと面白かったよ」
  230. ~
  231. 淳子「タイトル覚えてる? 今度私も観てみよっかなー」
  232. ~
  233. ;
  234. #037
  235. 「……それで主人公が唄いだすと……」
  236. ~
  237. ;
  238. #038
  239. プラネタリウムの上映は、ちょうど始まるところだ。時間
  240. はだいたい1時間くらいかな。
  241. ~
  242. ;
  243. #039
  244. 「淳子ちゃん、愛してるよ!」
  245. ~
  246. 意表をついて淳子ちゃんの唇を奪おうとしたけど、あっさ
  247. りかわされてしまった。残念。
  248. ~
  249. ;
  250. #040
  251. ぼくたちが入館して座ると、すぐに上映が始まった。
  252. ~
  253. 真っ暗だった場内に星がきらめいてゆき、やがて説明が始
  254. まる。
  255. ~
  256. 「秋から冬にかけての代表的な星座。オリオン座が見えて
  257. きます……」
  258. ~
  259. ;
  260. #041
  261. 「星座といえば、ギリシャ神話から名付けられたものが多
  262. いよね」
  263. ~
  264. 淳子「うん、私もいくつか聞いたことあるわ」
  265. ~
  266. 「でも七夕とか、他の言い伝えも味があるんだよなあ」
  267. ~
  268. プラネタリウムにふさわしい話題で、つかみはバッチリだ
  269. ぜ!
  270. ~
  271. ;
  272. #042
  273. 「都会だと夜でも明るいから、本物の星はあまりきれいに
  274. 見られないんだよね」
  275. ~
  276. 淳子「一度いっしょに、本物の星空も見てみたいわね」
  277. ~
  278. ;
  279. #043
  280. 「そういえば淳子ちゃんは何座だっけ?」
  281. ~
  282. 淳子「私? 10月25日生まれのさそり座よ」
  283. ~
  284. ;
  285. #044
  286. 淳子「星座の話って、学校の理科でやったくらいかな」
  287. ~
  288. 「ぼくもそうかな。天文学って地学の一分野なんだよね」
  289. ~
  290. 淳子「天と地がいっしょなんて、なんだか変よねえ」
  291. ~
  292. たしかに変だよなあ。どうしてだろ?
  293. ~
  294. ;
  295. #045
  296. 「……しかし、いい天気だね」
  297. ~
  298. 話題が思い付かなくて適当にしゃべってみたけど……。
  299. ~
  300. ;
  301. #046
  302. 淳子「……」
  303. ~
  304. ぼくの横で淳子ちゃんは静かにプラネタリウムの上映を観
  305. ている。
  306. どうしようか?
  307. ;
  308. #047
  309. ぼくはさりげなく淳子ちゃんの方に手をのばし、彼女の手
  310. をにぎった。
  311. ~
  312. 淳子「あっ……ダメよ。ちゃんと観てなくちゃ」
  313. ~
  314. ぼくの手は軽くはねのけられたけど、声はあまりイヤがっ
  315. てないようだ。
  316. ~
  317. ;
  318. #048
  319. (暗いから他の客にはみえないだろう。淳子ちゃんも大声
  320. 出さないだろうし)
  321. ~
  322. そう考えたぼくは、淳子ちゃんのスカートに手をのばす
  323. ……ぎゅ
  324. ~
  325. (あ、いてててて)
  326. ~
  327. 淳子ちゃんに無言で手をつねられてしまった。とほほ……。
  328. ~
  329. ;
  330. #049
  331. ここで淳子ちゃんにキス……なんて他のお客さんにもヒン
  332. シュクだよな。
  333. ~
  334. やめとこう。
  335. ~
  336. ;
  337. #050
  338. 「星もきれいだけど、淳子ちゃんのほうがもっときれいだ
  339. よ」
  340. ~
  341. 淳子ちゃんの耳元で、小さく甘くささやいてみた。やや古
  342. 典的なセリフだけど、わりと喜んでもらえたみたい。
  343. ~
  344. ;
  345. #051
  346. おや? 星空に何か……。
  347. ~
  348. 「あっ、流れ星! ええと願い事は……」
  349. ~
  350. 淳子「こらっ、大声出さないの!」
  351. ~
  352. しまった〜。つい声を出しちゃった。よく考えたら、プラ
  353. ネタリウムの流れ星に願い事を言ってもなあ……。
  354. ~
  355. ;
  356. #052
  357. よし、さりげなくウンチクを披露して淳子ちゃんに尊敬さ
  358. れてみるか。
  359. ~
  360. 「あのオリオンは狩りの名手でね。でもそれをアルテミス
  361. に自慢したから……」
  362. ~
  363. 淳子ちゃんも聞きながらうなづいてくれたけど、数秒後に
  364. 同じ説明がされてしまった! あーあ、ウンチク空振り!
  365. ~
  366. ;
  367. #053
  368. 「あああ〜天の川〜きらめく銀河に名を呼べば〜
  369. ラーラーラー」
  370. ~
  371. ぐいっ、と手をひっぱられて、ぼくは正気に戻った。
  372. いかん、星空を見てつい歌を唄ってしまったようだ。
  373. ~
  374. 「ご、ごめん。つい……」
  375. ~
  376. ;
  377. #054
  378. 上映が始まっているから、途中で席をたつのもなんだなあ。
  379. やめとこう。
  380. ~
  381. ;
  382. #055
  383. 今回展示しているのは、ヌード写真をメインとした写真家
  384. の個展だ。
  385. ~
  386. 入場料はひとり1000円。
  387. ~
  388. ;
  389. #056
  390. 「じゅ、淳子ちゃん!」
  391. ~
  392. 衝動をおさえきれず、ぼくは淳子ちゃんを路上で押し倒そ
  393. うとした。
  394. ~
  395. ;
  396. #57
  397. ぼくたちは入館料2000円を払って、中に入った。
  398. ~
  399. 展覧会はヌード写真をメインとしたものだったが、芸術的
  400. に撮られているために、変ないやらしさは感じられない。
  401. ~
  402. ;
  403. #058
  404. モデルの娘はさっきと同じみたいだけど、だいぶ印象が違
  405. うなあ。
  406. ~
  407. ;
  408. #059
  409. ふむ。バストアップヌードか……。胸の美しさに感動こそ
  410. すれ、エッチな感情がわいてこない。
  411. ~
  412. これぞ芸術!  淳子ちゃんも抵抗なく鑑賞しているようだ。
  413. ~
  414. ;
  415. #060
  416. 写真展から出た。それにしてもあのモデルの娘、どこかで
  417. 見たような……?
  418. ~
  419. いや、気のせいかな。
  420. ~
  421. ;
  422. #061
  423. 「写真とかに興味はあるの?」
  424. ~
  425. 淳子「写してもらうのはちょっと好きかな? 自分ではカ
  426. メラとかあまり使わないの」
  427. ~
  428. ま、そんなもんだろうな。
  429. ~
  430. ;
  431. #062
  432. 「写真といえば……淳子ちゃんの写真があるといいなあ」
  433. ~
  434. 淳子「どうして?」
  435. ~
  436. 「会えないときも淳子ちゃんをながめることができるか
  437. らね……」
  438. ~
  439. あ、クサイ言葉に吹き出してる。
  440. いいんだ、ぼくなんか……。
  441. ~
  442. ;
  443. #063
  444. 「写真といえば、旅行の記念写真くらいしか縁がないよね」
  445. ~
  446. 淳子「そうね。私はあまり外出しないけど、たまには旅行
  447. も行ってみたいなー」
  448. ~
  449. ;
  450. #064
  451. 淳子「ねえ、旅行に行くなら海と山、どっちがいい?」
  452. ~
  453. ;
  454. #065
  455. 「あたしも山のほうが好きなのー♥  ハイキングとか一緒
  456. に行きたいねー」
  457. ~
  458. ;
  459. #066
  460. 「ふうん、あたしは山のほうがいいな。でも泳ぐのは得意
  461. だから、海もイヤじゃないけどね」
  462. ~
  463. ;
  464. #067
  465. ブティックに入ってみた。良さそうな服はさすがに高く、
  466. 買うのはぼくの所持金じゃちょっとムリなものも多いぞ。
  467. ~
  468. ;
  469. #068
  470. (そうだ。試着室なら服を脱ぐし外から見えないし、エッ
  471. チに最適だ!)
  472. ~
  473. 名案を思い付いたぼくは、さっそく淳子ちゃんをひっぱり
  474. こもうとしたが……。
  475. ~
  476. 当然、店内の全員から注目されてしまった。
  477. ~
  478. ;
  479. #069
  480. 淳子ちゃんに何か買ってあげたいけど、さすがに現予算で
  481. 買うと今後のデートに支障が出そうだ。
  482. ~
  483. ふと目に止まった、赤いシルクのハンカチなら1000円で手
  484. ごろだけど?
  485. ~
  486. ;
  487. #070
  488. 思い切ってハンカチを買って、淳子ちゃんにプレゼント。
  489. けっこう気に入ってくれたぞ。
  490. ~
  491. ;
  492. #071
  493. とくに買いたいものもなし。てきとうに見回しただけで、
  494. 外へ出た。
  495. ~
  496. ;
  497. #072
  498. 「何か買ってあげようか?」
  499. ~
  500. 淳子「ありがとう。その気持ちだけいただくわ」
  501. ~
  502. あまりデート予算がないこと、わかってるみたいだなあ。
  503. ありがたや……。
  504. ~
  505. ;
  506. #073
  507. 淳子「好きな色? 
  508.         そうね、月並みだけど赤系が好きなのー♥」
  509. ~
  510. ふむふむ。女の子の好みはよくわからないけど、赤が好き
  511. なのは月並みなのかな?
  512. ~
  513. ;
  514. #074
  515. 「淳子ちゃんの好きなファッションって、どんなの?」
  516. ~
  517. 淳子「そうね、もしあなたが私にプレゼントしてくれるな
  518. ら、この中のどれを選んでくれる?」
  519. ~
  520. そこにあったのは……。
  521. ;
  522. #075
  523. 淳子「わあ、私の好み、よく分かってるわね」
  524. ~
  525. こんな高級品、今は買えないけどいつかプレゼントするた
  526. めに覚えておこうかな。
  527. ~
  528. ;
  529. #076
  530. 淳子「そういうのもいいかな? でも私、もっとハデ系が
  531. 好みなの」
  532. ~
  533. なるほど、そうなのか……。
  534. ~
  535. ;
  536. #077
  537. 「じゃあ、そろそろ出ようか」
  538. ~
  539. 淳子「ええ、出ましょう」
  540. ~
  541. ぼくたちはブティックをあとにした。
  542. ~
  543. ;
  544. #078
  545. いろいろあるけど、どの店に入ろうか?
  546. ~
  547. ;
  548. #079
  549. サーフィンやダイビングなど、マリンスポーツの専門店に
  550. 入ってみた。もちろん水着もあるぞ。
  551. ~
  552. ;
  553. #080
  554. なぜか売り物の水中メガネが気になり、買ってしまった。
  555. ~
  556. ;
  557. #081
  558. 淳子ちゃんに買ってあげるなら、やっぱり水着だろう。
  559. どちらも4000円で同じ値段だけど、どっちがいいかな?
  560. ~
  561. ;
  562. #082
  563. 白いワンピースの水着を買った。シンプルなデザインだけ
  564. ど、濡れるとスケやすそうだから泳ぐときが楽しみだな。
  565. ~
  566. ;
  567. #083
  568. 淳子ちゃんに似合いそうなビキニ!
  569. ~
  570. 早く着たところを見たいものだ!
  571. ~
  572. ;
  573. #084
  574. 「淳子ちゃんはマリンスポーツって好き?」
  575. ~
  576. 淳子「水泳はけっこう得意なの。でも同じレジャーなら、
  577. 山のほうがいいかなー」
  578. ~
  579. ;
  580. #085
  581. 「流行ったのは少し前だけど、スキューバダイビングもい
  582. いな。そのうちグァムとかにでも行きたいね」
  583. ~
  584. さりげなく海外旅行にさそったつもりだったけど……。
  585. ~
  586. ;
  587. #086
  588. 「水泳は得意でね、プールの授業が楽しみだったんだ」
  589. ~
  590. ;
  591. #087
  592. 「それにしても今日は暑いね」
  593. ~
  594. 淳子「うん、そうね。なんだか泳ぎにでも行きたい感じ」
  595. ~
  596. ここで水着を買って、プールに行くのもいいな……。
  597. ~
  598. ;
  599. #088
  600. 宝石や装飾品の店に入った。み、見るだけならタダだよな
  601. ……。
  602. ~
  603. ;
  604. #089
  605. いちおう値段など調べてみたりして……。
  606. とほほ、安いほうの品でも、今買ったら所持金がなくなり
  607. そうだ。
  608. ~
  609. ;
  610. #090
  611. ムリしてプレゼントしようか、なんて考えていたところ、
  612. 当の淳子ちゃんから声をかけてきた。
  613. ~
  614. 淳子「もうたっぷり見てまわったわ。そろそろ出ましょう」
  615. ~
  616. 「そ、そうだね」
  617. ~
  618. ぼくたちは店を出た。もしかして淳子ちゃん、ぼくに気を
  619. 使ってくれたのかな?
  620. ~
  621. ;
  622. #091
  623. 「ぐふふふふ、淳子ちゃん。このダイヤ買うたるから、え
  624. えとこ行こ、な?」
  625. ~
  626. 淳子「……」
  627. ~
  628. ああ、いかん。ダイヤで釣るからって、ついこんな下品な
  629. 言い方になってしまった。
  630. ~
  631. とりあえず淳子ちゃんには冗談ということにしたけど、あ
  632. んまりだったかな……。
  633. ~
  634. 恥ずかしくなって、ぼくたちは店を出た。
  635. ~
  636. ;
  637. #092
  638. 「どんなのがほしいの?」
  639. ~
  640. 淳子「あれなんかいいな……」
  641. ~
  642. ;
  643. #093
  644. 「淳子ちゃん、誕生日はいつだっけ?」
  645. ~
  646. 淳子「10月25日よ」
  647. ~
  648. 「じゃあ誕生石はオパールだね」
  649. ~
  650. たしかそうだったよな……。
  651. ~
  652. 淳子「そういうのにくわしい人って、なんだかステキよね」
  653. ~
  654. うむ、言ってみるもんだな。
  655. ~
  656. ;
  657. #094
  658. 「女の子はいいけど、男でアクセサリーつけるのってイヤ
  659. だね」
  660. ~
  661. 淳子「そう? 私はその人に似合ってればいいと思うけど」
  662. ~
  663. ;
  664. #095
  665. 「ぼくもアクセサリーにこってみようかな。男でアクセサ
  666. リーって変かな?」
  667. ~
  668. 淳子「ううん。似合ってればいいと思うよ」
  669. ~
  670. ;
  671. #096
  672. 「これかな?」
  673. ~
  674. 淳子「ううん。あのピアスなんだけど……」
  675. ~
  676. ま、買うわけじゃないからなんでもいいけど、ハズレって
  677. なんだかくやしい。
  678. ~
  679. ;
  680. #097
  681. 「このピアスかな?」
  682. ~
  683. 淳子「そう! このシルバーとゴールドのコンビになって
  684. るやつが気にいっちゃった」
  685. ~
  686. こういうのがいいのか……。チェックしとこうかな。
  687. ~
  688. ;
  689. #098
  690. ちょっと大きい書店に入ってみた。さて、どうするかな。
  691. ~
  692. ;
  693. #099
  694. 書店のどこに行くかを見れば、その人の趣味がわかりやす
  695. いよね。
  696. 淳子ちゃんは……スポーツ関係の本を見ているようだ。
  697. ~
  698. ;
  699. #100
  700. 「何か買ってあげようか?」
  701. ~
  702. 淳子「えっ、いいの?」
  703. ~
  704. さて、何を買ってあげたら淳子ちゃんは喜びそうかな?
  705. ~
  706. ;
  707. #101
  708. 本屋といえば……万引だな(おいおい!)。
  709. もし捕まったらデートどころじゃない。やめとこう。
  710. ~
  711. ;
  712. #102
  713. 豪華な装丁の文学全集を買ってあげようとしたけど……。
  714. ~
  715. ;
  716. #103
  717. 淳子「えっ、買ってくれるの? 今日が発売日だから気に
  718. なってたんだけど、デートの最中でプロレス誌を買うのも
  719. おかしいから、遠慮してたの。うれしいわ」
  720. ~
  721. ちょっとハズシたかな、と思ったけど、淳子ちゃんがプロ
  722. レス好きでよかったぜ。
  723. ~
  724. ;
  725. #104
  726. 淳子「こんな本もらっても……返すわ」
  727. ~
  728. ヌード写真集をプレゼントしたけど、あっさりつき返され
  729. てしまった。しかたない。ぼくがあとで使おう……。
  730. ~
  731. ;
  732. #105
  733. 「淳子ちゃん、本は読むほう?」
  734. ~
  735. 淳子「うん。どちらかというと、ってくらいだけどね」
  736. ~
  737. ;
  738. #106
  739. 「本ばかりで退屈じゃない? 出ようか?」
  740. ~
  741. 気をきかせたつもりだったけど……。
  742. ~
  743. 淳子「まだ入ったばかりじゃない。もう少し見てまわりた
  744. いの」
  745. ~
  746. 淳子ちゃんって、けっこう本好きなのかな?
  747. ~
  748. ;
  749. #107
  750. 「このまえ読んで感動した小説があってね……」
  751. ~
  752. 退屈かな、と思ったけど、淳子ちゃんはちゃんと聞いてく
  753. れてるぞ。ふう、安心。
  754. ~
  755. ;
  756. #108
  757. 最近読んだ本といえば、ゴシップ系の週刊誌くらい。本の
  758. 話題を出したら、つい下世話なテーマになってしまった。
  759. ~
  760. ;
  761. #109
  762. 1000円につきコイン10枚と交換できるぞ。コインをふやし
  763. ても換金できないけど、枚数に応じていろんなアイテムと
  764. 交換できるそうだ。
  765. ~
  766. ;
  767. #110
  768. 2000円をコインに交換。ドリンク付きでコインは10枚。
  769. ゲームはポーカーだ。よーし。がんばるぞ。
  770. ~
  771. ;
  772. #111
  773. 水中でもよく見える、普通の水中メガネだ。なぜこんなも
  774. のが景品に?
  775. ~
  776. ;
  777. #112
  778. 異性の好感度をアップさせる薬だ。
  779. ~
  780. ;
  781. #113
  782. セックスのときに役立つ、技が書いてあるぞ。そこまでこ
  783. ぎつけることができるといいな。
  784. ~
  785. ;
  786. #114
  787. ラブホテルに無料で泊まれる券だ。
  788. ~
  789. ;
  790. #115
  791. 何か、魔力を持った水中メガネらしいぞ。
  792. ~
  793. ;
  794. #116
  795. 「キューピットの矢、誰でもイチコロでおちるとか。」
  796. ~
  797. ;
  798. #117
  799. カジノはこれくらいでいいな。そろそろ出よう。
  800. でも、アイテムに交換できないコインは持っていてもしょ
  801. うがないな。
  802. 「余ったコインは、淳子ちゃんにあげるよ。」
  803. ~
  804. 淳子「わ〜い。 うれしー♥」
  805. ~
  806. ;
  807. #118
  808. 「ここでコインをかせぐと他では手に入らない物がもらえ
  809. るんだって。」
  810. ~
  811. 淳子「そうなの。がんばってね。」
  812. ~
  813. ;
  814. #119
  815. 「淳子ちゃんも一緒にやってみる?」
  816. ~
  817. 淳子「うーん、私は見てるだけ。
  818.         一生懸命応援するからね♥」
  819. ~
  820. ;
  821. #120
  822. 「淳子ちゃんは、ふだんギャンブルやらないの?」
  823. ~
  824. 淳子「少しはね。あなたは何かやる?」
  825. ~
  826. ;
  827. #121
  828. 淳子「私も競馬が一番。こんど一緒に行きましょー♥」
  829. ~
  830. ;
  831. #122
  832. 淳子「そうなの。私はどちらかというと、競馬が合ってる
  833. かな」
  834. ~
  835. ;
  836. #123
  837. とりあえずフロントへ。
  838. さて、時間はどのくらいにしよう?
  839. ~
  840. ;
  841. #124
  842. 2人で何曲か唄ったけど、1時間はちょっと短かった。
  843. 淳子ちゃんも明らかに物足りなさそうだ。
  844. ~
  845. ;
  846. #125
  847. ぼくも淳子ちゃんも何曲か唄い、少しずつ熱が入ってきた
  848. ぞ。
  849. ~
  850. 淳子「さ、次は何にする?」
  851. ~
  852. ;
  853. #126
  854. こういうの淳子ちゃんは嫌いかな? と思いながら唄って
  855. みたけど、淳子ちゃんはごく普通にノッている。
  856. あー、楽しかった!
  857. ~
  858. ;
  859. #127
  860. ポップスで好きな曲を選んだら、淳子ちゃんも知ってて一
  861. 緒に唄った。
  862. ~
  863. いやー、盛り上がったなあ。
  864. ~
  865. ;
  866. #128
  867. うーん、2人で4時間は、さすがに長かったかな。はじめ
  868. のうちは良かったけど、後半はちょっとしんどかった。
  869. ~
  870. 反省……。
  871. ~
  872. ;
  873. #129
  874. 「淳子ちゃんはカラオケ好き?」
  875. ~
  876. 淳子「誘われて行くくらいだけど、けっこう好きよ」
  877. ~
  878. ;
  879. #130
  880. 淳子「ジャンルで好き嫌い? あんまりないわね。唄われ
  881. てイヤな歌って特にないの」
  882. ~
  883. ;
  884. #131
  885. 「最近の通信カラオケって、マニアックな曲もあるから楽
  886. しいよ」
  887. ~
  888. 淳子「へえ、面白そうね。あなたがどんなの唄うか、期待
  889. しちゃう」
  890. ~
  891. ;
  892. #132
  893. ぼくたちは、ほかに人のいないホテルのプールに足を運ん
  894. だ。入場料は二人で4000円。
  895. ~
  896. ;
  897. #133
  898. 大勢の客でごった返す公営のプールをさけ、ぼくたちはホ
  899. テルのプールに向かった。
  900. ~
  901. でもよく考えたら……。
  902. ~
  903. 淳子「でも水着がないわ。残念ね」
  904. ~
  905. 「うん。どこかで買ってこよう」
  906. ~
  907. とにかくプールは一時おあずけだな。
  908. ~
  909. ;
  910. #134
  911. せっかくのプールなのに、もう帰るの?
  912. ~
  913. ;
  914. #135
  915. やっぱりプールの前には準備運動だ!
  916. ~
  917. いっちに、さんし……。
  918. ~
  919. なんだかむなしい。
  920. ~
  921. ;
  922. #136
  923. さてと、淳子ちゃんが水着で出てくるのを待つかな。
  924. ~
  925. ワクワク。
  926. ~
  927. ;
  928. #137
  929. 何か話そうと思ったけど、淳子ちゃんは着替え中でここに
  930. はいないんだった。
  931. ~
  932. ;
  933. #138
  934. ぼくはカジノで手にいれた「魔法の水中メガネ」をかけて
  935. みた。
  936. ~
  937. すると……おおおおっ!
  938. ~
  939. ;
  940. #139
  941. ここで水中メガネの魔力が切れたようだ。うーむ、まさか
  942. 水着が完全にスケるとは!
  943. ~
  944. ;
  945. #140
  946. 淳子ちゃんは楽しそうにしているけど、白い水着が濡れる
  947. とスケることに、どうやら気づいていないみたいだ。
  948. ~
  949. うーむ、見てるとだんだんムラムラしてきたぞ。
  950. ~
  951. ;
  952. #141
  953. 気がつくと、あたりには人がいなかった。
  954. ~
  955. ぼくと淳子ちゃんの、ふたりっきりだ……。
  956. ~
  957. ;
  958. #142
  959. チャンスだけど、やるのか?
  960. ~
  961. ;
  962. #143
  963. 本当に?
  964. ~
  965. ;
  966. #144
  967. セーブしておいたほうがいいぞ。
  968. ;
  969. #145
  970. 「はっ、ぼくはなんてことを……」
  971. ~
  972. 淳子ちゃんのパンチを受けて正気に戻り、ぼくは必死にあ
  973. やまった。
  974. ~
  975. しかし今度ばかりはシャレですまされず、淳子ちゃんはそ
  976. そくさと着替えてプールを出て、さっさと帰ってしまった。
  977. ~
  978. 「絶交よ!」という言葉を残して……
  979. ~
  980. ;
  981. #146
  982. ぼくたちは、池の鯉にエサをやることにした。エサは
  983. 100円だ。
  984. ~
  985. ;
  986. #148
  987. 「はい、買ってきたよ」
  988. ~
  989. 淳子「ありがと」
  990. ~
  991. ;
  992. #149
  993. 「公園の散歩は、なにより金がかからなくていいなあ」
  994. ~
  995. 軽い気持ちで言ったんだけど……。
  996. ~
  997. ;
  998. #150
  999. 「静かで、いいムードだね」
  1000. ~
  1001. 公園などを歩くときは、こういうムード面でせめるのが基
  1002. 本かな。
  1003. ~
  1004. ;
  1005. #151
  1006. 淳子「そう? けっこう人がたくさんいるみたいだけ
  1007. ど。」
  1008. ~
  1009. うーん、やっぱりセリフにこるだけじゃダメか!?
  1010. ~
  1011. ;
  1012. #152
  1013. 時間帯はすっかり夕方。人も少なく、夕陽が公園の景色を
  1014. 染めている。
  1015. ~
  1016. 淳子「ほんと……。いつもとはちがう世界にいるみたい」
  1017. ~
  1018. その表情はウットリしているぞ。
  1019. ~
  1020. ;
  1021. #153
  1022. 淳子「少し歩いたから、ちょっとのどがかわいたわね」
  1023. ~
  1024. 「何か買ってこようか?」
  1025. ~
  1026. 淳子「あ、あそこに水飲み場があるわ。あそこで水を飲む
  1027. からいいわよ」
  1028. ~
  1029. ;
  1030. #154
  1031. さて、どこに入ろうか?
  1032. ~
  1033. ;
  1034. #155
  1035. イタリアンレストランで、ランチのセットメニューを食べ
  1036. た。二人分で2400円。
  1037. ~
  1038. ふんぱつしたけど、ランチメニューならイタメシ屋もファ
  1039. ミリーレストランもそんなに差はなかったかもね。
  1040. ~
  1041. ;
  1042. #156
  1043. 結局昼食は、ファーストフードですませた。
  1044. ~
  1045. 料金は二人分で1200円。淳子ちゃんとのデートにして
  1046. は、ちょっといいかげんすぎたかな?
  1047. ~
  1048. ;
  1049. #157
  1050. ファミリーレストランは少しこんでいて、待たされてしまっ
  1051. た。店員も忙しそうで、あまり楽しい食事にはならなかっ
  1052. た。残念……。料金は二人分で1600円。
  1053. ~
  1054. ;
  1055. #158
  1056. ぼくたちは食事をすませ、外に出た。
  1057. ~
  1058. ;
  1059. #159
  1060. 休日だし、あたりにはいつもより子供づれが多いようだ。
  1061. ~
  1062. 淳子「小さい子って、かわいいわよね」
  1063. ~
  1064. ぼくには、うっとうしいだけに思えるけど……まあいいか。
  1065. ~
  1066. ;
  1067. #160
  1068. 「ちょっと眠くなってきたなあ……」
  1069. ~
  1070. つい、そのあたりに腰をおろして休むぼく。いっそ寝てし
  1071. まおうか?
  1072. ~
  1073. 淳子「ほらほら、食べてすぐ寝ると牛になっちゃうわよ」
  1074. しかたない。デートの続きをしようか。
  1075. ~
  1076. ;
  1077. #161
  1078. まだちょっと食べ足りないような……。
  1079. ~
  1080. とりあえずぼくはハンバーガーを、淳子ちゃんにはシェイ
  1081. クをテイクアウトして、やっと満足のいく昼食になった。
  1082. 500円だった。
  1083. ~
  1084. ;
  1085. #162
  1086.   目玉焼きにかける調味料といえば……?
  1087. ~
  1088. ;
  1089. #163
  1090. 「ところでさっき食べながら気になってたんだけど、目玉
  1091. 焼きにかけるものっていえば、やっぱりソースだよね?」
  1092. ~
  1093. しかし淳子ちゃんの反応は……
  1094. ~
  1095. ;
  1096. #164
  1097. 「ところで、淳子ちゃんの好きな食べ物はなに?」
  1098. ~
  1099. 淳子「えーっとね、焼き肉かな? さすがに昼間からは
  1100. チョットって気はするけどね……」
  1101. ~
  1102. 「へー、焼き肉ねえ。ぼくもけっこう好きだなー」
  1103. ~
  1104. 淳子「じゃあ、ここで問題です。『ロース』ってどこの肉
  1105. のことだかわかる?」
  1106. ~
  1107. え、『ロース』って、どこの肉だったかな……。
  1108. ~
  1109. ;
  1110. #165
  1111. 「腹ごなしに、何か運動したいね」
  1112. ~
  1113. 言ってみたのはいいけど、今日はちょっと暑いからあまり
  1114. 汗をかきたくないなあ。
  1115. ~
  1116. 淳子「そうねえ、腹ごなしなら散歩くらいで充分じゃな
  1117. い?あとプールもいいわね」
  1118. ~
  1119. ま、そんなもんかな……。
  1120. ~
  1121. ;
  1122. #166
  1123. 「腹ごなしに……セックスでもしようか」
  1124. ~
  1125. 勢いにまかせて言うだけ言ってみた。ダメでもともと、
  1126. ってやつか?
  1127. ~
  1128. 淳子「えっ? ごめんなさい、よく聞こえなかったわ。
  1129. なんて言ったの?」
  1130. ~
  1131. 「……いや、なんでもない」
  1132. ~
  1133. さすがにもう一度言う気は起こらなかった。
  1134. ~
  1135. ;
  1136. #167
  1137. 淳子「お食事? まだお昼前だし、もう少しあとにしま
  1138. しょうよ」
  1139. ~
  1140. うん、もっともな意見だね。ぼくたちはとりあえず、食事
  1141. を後回しにすることにした。
  1142. ~
  1143. ;
  1144. #168
  1145. さりげなく、ラブホテルの立ち並ぶ一帯に来てはみたけど
  1146. ……。
  1147. ~
  1148. ;
  1149. #169
  1150. やっぱりダメか……。もっと淳子ちゃんの気持ちを引き寄
  1151. せるしかないな。
  1152. ~
  1153. ;
  1154. #170
  1155. こ、これは!  いわゆるOKというやつだ!
  1156. ~
  1157. よーし、一気にホテルに突入だーーー!
  1158. ~
  1159. ;
  1160. #171
  1161. ぼくには、カジノで獲得した『ホテルクーポン券』があっ
  1162. た。クーポン券が使用可能なホテルを見つけ、中に入った
  1163. ぞ!
  1164. ~
  1165. さあ、いよいよセックスだーーー!!
  1166. ~
  1167. ;
  1168. #172
  1169. いざホテルに突入。さて、ホテルでは、『休憩』『宿泊』
  1170. どちらを選ぶ?
  1171. ~
  1172. ;
  1173. #173
  1174. し、しまったお金がたらないぞ!  ど、どうすればいいん
  1175. だーー!
  1176. ~
  1177. ;
  1178. #174
  1179. ここにきて、肝心のホテル代がないとは! 男子一生の不
  1180. 覚!けど、所持金が増えるわけないからもうお手上げか?
  1181. いや、カジノに行って一発逆転を狙うという手もあるぞ!
  1182. ~
  1183. いや、それとも……。
  1184. ~
  1185. ;
  1186. #175
  1187. いよいよ淳子ちゃんと愛の園へ。今度は彼女の身体をメロ
  1188. メロにさせる番だ!
  1189. ~
  1190. ;
  1191. #176
  1192. せっかく喫茶店でお茶してるんだから、もっと話をしてい
  1193. きたいな。
  1194. ~
  1195. ;
  1196. #177
  1197. 淳子ちゃんが頼んだのはオレンジジュース。
  1198. ぼくは何にしよう?
  1199. ~
  1200. ;
  1201. #178
  1202. 「………………」
  1203. ~
  1204. ;
  1205. #179
  1206. おっと、淳子ちゃんに見とれいて、話すのを忘れてた。
  1207. いかんいかん。
  1208. ~
  1209. ;
  1210. #180
  1211. 淳子「お話もいいけど、とりあえず注文をすませてからに
  1212. しようよ」
  1213. ~
  1214. ;
  1215. #181
  1216. 「淳子ちゃんは血液型の相性って信じるほう?」
  1217. ~
  1218. ;
  1219. #182
  1220. 淳子ちゃんの血液型はどれかな?
  1221. ~
  1222. ;
  1223. #183
  1224. 「血液型の話題が出たら、他の占いとかも気になるね」
  1225. ~
  1226. ;
  1227. #184
  1228. さて、ぼくは何座だったっけ?
  1229. ~
  1230. ;
  1231. #185
  1232. 淳子ちゃんとの相性はそうなのか……。
  1233. 聞いているだけっていうのも芸がないから、何かリアク
  1234. ションを返そうかな。
  1235. ~
  1236. どんな感想がいいだろう?
  1237. ~
  1238. ;
  1239. #186
  1240. 淳子「うふふ。本気で受け止めちゃって。けっこう可愛い
  1241. ところあるんだー♥」
  1242. ~
  1243. 可愛い、か。ホメ言葉と思っていいのかな?
  1244. ~
  1245. ;
  1246. #187
  1247. 淳子「あまり気にしないのね。なんだか拍子抜け。
  1248. もしかして、私との相性なんてどうでもいいの?」
  1249. ~
  1250. クールに対応したのが、かえって失敗だったかな?
  1251. ~
  1252. ;
  1253. #188
  1254. 「淳子ちゃん、普段は何してるの? アウトドア派にも、
  1255. カウチ派にも思えるけど」
  1256. ~
  1257. ;
  1258. #189
  1259. 「淳子ちゃんは、ぼくについて聞きたいことない?」
  1260. ~
  1261. 淳子「そうねえ……」
  1262. ~
  1263. ;
  1264. #190
  1265. 「性教育なら任せて! ってやつだったね」
  1266. ~
  1267. なんて言おうと思ったけど、ここであんまり下品な回答は
  1268. やめたほうがいいな。マジメに答えよう。
  1269. ~
  1270. ;
  1271. #191
  1272. うーん、夏休みとかはどうだったかな?
  1273. ~
  1274. ;
  1275. #192
  1276. 「スポーツ観戦に行くとしたら、何がいいかな?」
  1277. ~
  1278. 淳子「そうね、観るほうのスポーツなら……」
  1279. ~
  1280. ちょっと考えてる淳子ちゃん。誘うとするなら……。
  1281. ~
  1282. ;
  1283. #193
  1284. 「プロレスなんてどう?」
  1285. ~
  1286. ;
  1287. #194
  1288. 「サッカーはどう?」
  1289. ~
  1290. 淳子「うーん、野球のほうが好みかな。でもサッカーも
  1291. 時々テレビで見るわよ」
  1292. ~
  1293. ;
  1294. #195
  1295. 「野球観戦なんて、ありきたりだけどどう?」
  1296. ~
  1297. 淳子「そうね。サッカーと野球なら野球の方がいいかなー」
  1298. ~
  1299. ;
  1300. #196
  1301. (……!)
  1302. ~
  1303. 突然ぼくの目前に、淳子ちゃんの悩ましい姿が浮かんでき
  1304. た。まさか彼女が喫茶店で脱ぎ出すわけないし、ぼくの妄
  1305. 想が強くなったのだろうか?
  1306. ~
  1307. ;
  1308. #197
  1309. (……!!)
  1310. ~
  1311. またも妄想がぼくの前にちらつきだした。本当に淳子ちゃ
  1312. んの、こんな姿をおがめたら幸せなんだけど。
  1313. ~
  1314. ;
  1315. #198
  1316. 淳子ちゃんが注文したのはアイスコーヒー。
  1317. ~
  1318. ぼくは無難にブレンドコーヒーを注文した。
  1319. ~
  1320. ;
  1321. #199
  1322. 「あまり待たずに座れたけど、人出が多いね。ここは都心
  1323. だし、休日だから仕方ないか」
  1324. ~
  1325. ;
  1326. #200
  1327. 「行きたい国」と言われてとっさにこの3つが思いついた
  1328. けど、どれにしよう?
  1329. ~
  1330. ;
  1331. #201
  1332. 「淳子ちゃんは、自分ではどんな性格だと思ってるの?」
  1333. ~
  1334. ;
  1335. #202
  1336. ぼくの性格はどうかなあ……?
  1337. ~
  1338. ;
  1339. #203
  1340. たしか淳子ちゃんは、今日は遅くまでつきあってくれるは
  1341. ず。夜のデートにむけて、希望を聞いておこうかな?
  1342. ~
  1343. ;
  1344. #204
  1345. どこがいいかな?
  1346. ~
  1347. ;
  1348. #205
  1349. コーヒーの飲み方かあ……。どれだったかな?
  1350. ~
  1351. ;
  1352. #206
  1353. ペットにしてみたいのは……。
  1354. ~
  1355. ;
  1356. #207
  1357. (こんな風に、淳子ちゃんみたいな美少女をペットにして
  1358. みたいな。昔、そんな歌がなかったっけ?)
  1359. ~
  1360. ;
  1361. #208
  1362. (こういうのもいいかも……。「バニーちゃん」って呼ん
  1363. だりして)
  1364. ~
  1365. ぼくは、質問そっちのけでつい妄想をふくらませ続けた。
  1366. ~
  1367. ;
  1368. #209
  1369. 「ご、ごめんなさい!」
  1370. ~
  1371. 淳子ちゃんに妄想の内容までは分からないはずだけど、
  1372. きっとぼくの顔がニヤついてたんだろうなあ。
  1373. ~
  1374. ;
  1375. #210
  1376. 「ところでその服、よく似合ってるね。青って好きな色な
  1377. の?」
  1378. ~
  1379. ;
  1380. #211
  1381. 淳子「うん、わりとね。でも一番好きなのは……。
  1382. うふふ。当ててみて」
  1383. ~
  1384. ;
  1385. #212
  1386. 淳子「当たり!」
  1387. ~
  1388. ;
  1389. #213
  1390. 淳子「そうでもないよ。私は赤系が好きなの」
  1391. ~
  1392. ;
  1393. #214
  1394. なんとなく夜の公園に来てみた。
  1395. さて、どうしたもんかな……。
  1396. ~
  1397. ;
  1398. #215
  1399. あたりを見まわすと、ベンチや物陰で濃厚なラブシーンを
  1400. はじめているカップルがちらほら……。こっちまでちょっ
  1401. とドキドキしてきたぞ。
  1402. ~
  1403. ;
  1404. #216
  1405. 何か買ってこようと思ったけど、夜中の公園じゃ外に出な
  1406. いと店なんてないな。やめとこ。
  1407. ~
  1408. ;
  1409. #217
  1410. (いっそそのへんの物陰に入って……)
  1411. ~
  1412. ぼくは少しずつ、さりげなく、淳子ちゃんを押し倒しやす
  1413. そうな所へ誘導していった。
  1414. ~
  1415. (よし、ここで一気に……うっ)
  1416. ~
  1417. ;
  1418. #218
  1419. 淳子ちゃんの唇はしだいにぼくを受け入れだした。
  1420. ~
  1421. さて、ここからどうしよう?
  1422. ~
  1423. ;
  1424. #219
  1425. 「ご、ごめんね」
  1426. ~
  1427. ついあやまってしまったが、かえっていけなかったみた
  1428. い。
  1429. ~
  1430. ;
  1431. #220
  1432. ぼくは口を淳子ちゃんの耳元にうつし、あらためてささや
  1433. いた。
  1434. ~
  1435. 「今日は遅くなってもいいんだったよね?」
  1436. ~
  1437. 単なる確認なんだけど、うなづく表情がちょっと色っぽい。
  1438. これは脈アリかも!?
  1439. ~
  1440. ;
  1441. #221
  1442. これ以上は何もせず、淳子ちゃんからはなれてまた散歩の
  1443. 再開だ。
  1444. ~
  1445. ちょっと味気なさすぎかも……?
  1446. ~
  1447. ;
  1448. #222
  1449. 「い、いい天気だね……」
  1450. ~
  1451. 話題がなくなったせいか、つい言ってしまった。夜中にい
  1452. い天気もなにもないよなあ。
  1453. 案の定、淳子ちゃんはシラケてしまったみたいだ。
  1454. ~
  1455. ;
  1456. #223
  1457. 「そういえばこの公園って、ノゾキのメッカなんだって」
  1458. ~
  1459. ;
  1460. #224
  1461. やっぱりムードで攻めよう。
  1462. 「静かだね……」
  1463. そう言った直後、横のほうから「あぅ〜ん」という色っぽ
  1464. い声が!
  1465. ~
  1466. 別のカップルだな?  まったく、恥じらいってもんがない
  1467. のかよ。ぼくの計画が台無しじゃないか!
  1468. ~
  1469. ;
  1470. #225
  1471. 「ねえ、お腹すかない?」
  1472. ~
  1473. すると淳子ちゃんは急にぼくの顔をのぞきこんだ。
  1474. ~
  1475. ;
  1476. #226
  1477. 夜の公園、というムードにまかせたぼくだけど、淳子ちゃ
  1478. んのガードはまだ固かった。
  1479. ~
  1480. 淳子「ん、だめ。そんな気になれないの」
  1481. ~
  1482. あんまり強引にしてもナンだし、ここは引くしかないな。
  1483. ~
  1484. ;
  1485. #227
  1486. ぼくはここまでのデートの感想を聞いてみた。少しはおせ
  1487. じも言ってくれるだろうけど……。
  1488. ~
  1489. ;
  1490. #228
  1491. ぼくはここまでのデートの感想を聞いてみた。
  1492. ~
  1493. ;
  1494. #229
  1495. 淳子「食事ならさっき済ませたじゃないの!? どうしたの?
  1496. 大丈夫?」
  1497. ~
  1498. あ、そうか。すっかり忘れてた。
  1499. ~
  1500. (しゃがれ声で)「あー、淳子さんや、ゴハンはまだかの
  1501. う……」
  1502. ~
  1503. とりあえずぼくは、お笑いでごまかすことにした。
  1504. はあ……。
  1505. ~
  1506. ;
  1507. #230
  1508. 淳子「そうね。どこかへ行きましょうか」
  1509. ~
  1510. 公園をさっさと出て、食事に行ったほうがよさそうだ。
  1511. ~
  1512. ;
  1513. #231
  1514. 淳子「その言葉をずっと待ってたのよ。
  1515.      もうお腹ペコペコ!」
  1516. ~
  1517. そうだ、夕食のことをすっかり忘れてた。
  1518. 公園をさっさと出て、食事に行ったほうがよさそうだな。
  1519. ~
  1520. ;
  1521. #232
  1522. さて、ディナーはどこにしよう?
  1523. ~
  1524. ;
  1525. #233
  1526. 一般に、デートで焼き肉屋ってのは最後までいったカップ
  1527. ルだそうだ。
  1528. ~
  1529. だからいきなり淳子ちゃんと行っていいのかな、とも思っ
  1530. たけど……。
  1531. ~
  1532. なんだか淳子ちゃんは大喜び。もともと焼き肉が好物なん
  1533. だって。お代は4000円だった。
  1534. ~
  1535. ;
  1536. #234
  1537. 淳子「えー、ウナギ? 私、アレは苦手なの……」
  1538. ~
  1539. うーむ、残念。ウナギ屋でしっぽり、という和風情緒にも
  1540. 期待したんだけどなあ。
  1541. ~
  1542. ;
  1543. #235
  1544. とりあえず定番・イタメシ屋ディナー。
  1545. ~
  1546. 淳子ちゃんもご満足のようだ。
  1547. 料金は6000円。
  1548. ~
  1549. ;
  1550. #236
  1551. 食事を終えて、ぼくたちはまた夜の街に出た。
  1552. さて、どうしようか?
  1553. ~
  1554. ;
  1555. #237
  1556. 淳子ちゃんはこのディナーに満足だった様子。
  1557. ~
  1558. ;
  1559. #238
  1560. 「満腹でも、これくらいならいいよね。入るところが別だ
  1561. って言うし」
  1562. ~
  1563. ぼくたちはさらに、軽く寿司をつまむことにした。回転寿
  1564. 司だけど。
  1565. ~
  1566. ディナーはやや濃厚な味だったから、寿司のさっぱり感が
  1567. 淳子ちゃんにもウケたみたいだ。
  1568. お代は1500円。
  1569. ~
  1570. ;
  1571. #239
  1572. 「どう? ご満足いただけましたか?」
  1573. ~
  1574. 淳子「ええ。でも、あなたには少し足りなかったんじゃな
  1575. い?」
  1576. ~
  1577. たしかに腹7分目くらいだった。もう少し何か食べてもい
  1578. いかな?
  1579. ~
  1580. ;
  1581. #240
  1582. 「食事もしたし、じゃあ帰ろうか?」
  1583. ~
  1584. つい、きれいに別れる選択をとってしまった!
  1585. ~
  1586. 淳子「でも、もうちょっとあなたと一緒にいたいな。
  1587. だめ?」
  1588. ~
  1589. あー、危ない危ない。このまま帰しちゃうところだった。
  1590. ~
  1591. ;
  1592. #241
  1593. 「食事もしたし、食休みだね」
  1594. ~
  1595. 淳子「休むって、どこで?」
  1596. ~
  1597. あ、そうか。“ご休憩”で、とも言いにくいしなあ。
  1598. ~
  1599. ;
  1600. #242
  1601. 「食事もしたし、今度は飲もうか」
  1602. ~
  1603. バーもひとつ、いいところを知ってるんだよね。
  1604. ~
  1605. ;
  1606. #243
  1607. 「食事もしたし、じゃとっととホテル行こうか」
  1608. ~
  1609. 有無を言わさず、勢いだけで連れ込もうと考えたんだけど
  1610. ……。
  1611. ~
  1612. ;
  1613. #244
  1614. ぼくたちはバーに入った。
  1615. ~
  1616. ;
  1617. #245
  1618. 言葉通り、淳子ちゃんはお酒にあまり興味ないようだ。
  1619. でもこの店のムードは気に入ったみたい。
  1620. ~
  1621. ;
  1622. #246
  1623. 淳子ちゃんはあまり飲まないので、ぼくだけ追加。
  1624. ……ちょっと酔いが回って、
  1625. さますのに時間がかかってしまった。
  1626. ~
  1627. ;
  1628. #247
  1629. ぼくは酔った勢いで淳子ちゃんをバーの床に押し倒す!
  1630. しかし……
  1631. ~
  1632. 「お客様、ここでそのようなことは……」
  1633. ~
  1634. マスターに厳重注意されてしまった。ごめんなさい。
  1635. ~
  1636. ;
  1637. #248
  1638. 淳子ちゃんのバストはどのくらいだろう?
  1639. ~
  1640. ;
  1641. #249
  1642. 淳子ちゃんの性感帯!? これは参考になるぞ。
  1643. ~
  1644. ぜひ見つけだしたいな。
  1645. ~
  1646. ;
  1647. #250
  1648. 子供かあ。
  1649. ~
  1650. どっちでいいけど、淳子ちゃんの希望はあるのかな?
  1651. ~
  1652. ;
  1653. #251
  1654. 淳子ちゃんの好きな体位!?
  1655. ~
  1656. こ、これまた覚えておきたい問題だ!
  1657. ~
  1658. ;
  1659. #252
  1660. 「将来、どこか住みたいところはある?」
  1661. ~
  1662. 淳子「そうねえ……」
  1663. ~
  1664. ;
  1665. #253
  1666. 「都内のマンションかな?」
  1667. ~
  1668. 淳子「うん。やっぱり都内が便利でいいよね♥」
  1669. ~
  1670. ;
  1671. #254
  1672. 「一戸建てなら少し地方でもいい?」
  1673. ~
  1674. 淳子「それなら都内のほうがいいわ」
  1675. ~
  1676. ;
  1677. #255
  1678. 淳子「なら、同じ都内でも、山の手のほうに住みたいって
  1679. 思う?  それとも下町?」
  1680. ~
  1681. さて、どう答えるかな……。
  1682. ~
  1683. ;
  1684. #256
  1685. 淳子「そうなの山の手がいいの……。でも山の手って基本
  1686. は高級住宅街でしょ? なんだか気取ってそうで、きゅう
  1687. くつそう」
  1688. ~
  1689. ;
  1690. #257
  1691. 淳子「そう、下町がいいんだ。私もなのよ。育ったわけじ
  1692. ゃないけど、東京の下町って生活感があってちょっとあこ
  1693. がれてるの」
  1694. ~
  1695. ;
  1696. #258
  1697. 「でも生活に欠かせないのは、やっぱり車だよね」
  1698. ~
  1699. 淳子「そうね。あなた好みの車ってある?」
  1700. ~
  1701. 「どうかな……」
  1702. ~
  1703. 淳子「じゃあ、この2つがあったらどっちにする?」
  1704. ~
  1705. ;
  1706. #259
  1707. 淳子「わー。私とおんなじ♥  私たちって気があうわね」
  1708. ~
  1709. ;
  1710. #260
  1711. 淳子「国産車で新品かあ。それでも悪くないんだけど……」
  1712. ~
  1713. ;
  1714. #262
  1715. 落ちついたところで、聞いてみようかな。
  1716. ~
  1717. 「ぼくとのデート、どうだった?」
  1718. ~
  1719. ;
  1720. #263
  1721. 淳子「まあまあかな。本当はね、デートで行きたいな、
  1722. って思ってた所があるの」
  1723. ~
  1724. ;
  1725. #264
  1726. 淳子「とても楽しかったわ。でも本当はね、デートでつれ
  1727. てってほしい所があったの」
  1728. ~
  1729. ;
  1730. #265
  1731. 「え、どこへ行きたかったの?」
  1732. ~
  1733. 淳子「さあ、どこだと思う?」
  1734. ~
  1735. ;
  1736. #266
  1737. 淳子「あのねえ……」
  1738. ~
  1739. ホテル? と答えたら、淳子ちゃんは深ぶかとタメ息をつ
  1740. いた。やっぱりハズレだったか……。
  1741. ~
  1742. ;
  1743. #267
  1744. 「超高級レストランかなんか?」
  1745. ~
  1746. ;
  1747. #268
  1748. 淳子「そう! 初めてのデートなら、遊園地に連れてって
  1749. ほしいな、なんて思ってたの。子供っぽいから、言い出せ
  1750. なかったけど……」
  1751. ~
  1752. うっ、なんだか可愛いぞ淳子ちゃん!
  1753. ~
  1754. ;
  1755. #269
  1756. やっぱりまだ、淳子ちゃんの気持ちをつかみきっていない
  1757. ようだ。
  1758. ~
  1759. しかしもう、デートの残り時間はわずか。間に合うか!?
  1760. ~
  1761. ;
  1762. #270
  1763. しまった、肝心のホテル代がない!
  1764. ~
  1765. こ、ここまできていながら……。
  1766. ~
  1767. もはや挽回手段はない。今度プレイするときは、ホテル代
  1768. を温存しておくか、どっかでホテルのタダ券を手に入れよ
  1769. う。
  1770. ~
  1771. すまないががんばってくれ!!
  1772. GAME OVER
  1773. ~
  1774. ;
  1775. #271
  1776. もう淳子ちゃんが時間いっぱいなのに、
  1777. 今さらどこかに行っても仕方ないな。
  1778. ~
  1779. ;
  1780. #272
  1781. 淳子ちゃんの表情は……ちょっとなごり惜しそうだ。
  1782. 次のデートの約束も取れそうな雰囲気に見えるが?
  1783. ~
  1784. ;
  1785. #273
  1786. 「淳子ちゃん!」ぎゅっ
  1787. ~
  1788. あまりのさびしさに、つい抱きしめてしまった。
  1789. ずっとこうしていたいんだけど、
  1790. やっぱりそうもいかないね。
  1791. ~
  1792. ;
  1793. #274
  1794. 「うっ」くらくら、バタン。
  1795. ~
  1796. 淳子「ど、どうしたの?」
  1797. ~
  1798. 仮病で淳子ちゃんに残ってもらう、最後の作戦に出てみた。
  1799. ~
  1800. 淳子「……演技?」
  1801. ~
  1802. アッサリばれてしまったようだ。まあ、淳子ちゃんも怒っ
  1803. てないようだからいいか。
  1804. ~
  1805. ;
  1806. #275
  1807. 押し倒す! 押し倒そう!
  1808. ~
  1809. とは思ったけど「帰ってほしくないから腕づくで」なんて、
  1810. あまりにも最低だよなあ。
  1811. ~
  1812. これだけはやめとこう。
  1813. ~
  1814. ;
  1815. #276
  1816. 「あの、またそのうちデートしてくれる?」
  1817. ~
  1818. はたして淳子ちゃんの答はいかに?
  1819. ~
  1820. ;
  1821. #277
  1822. 「そうだね、さよなら」
  1823. ~
  1824. 物わかりよい男を演じて、あっさり別れようとするぼく。
  1825. 淳子ちゃんは帰ってしまうぞ。それでいいのか?
  1826. ~
  1827. ;
  1828. #278
  1829. 「ああ、なごりおしいなあ」
  1830. ~
  1831. 淳子「私もちょっと残念。ごめんなさいね」
  1832. ~
  1833. ;
  1834. #279
  1835. 淳子「いいわよ。じゃあ次の休日でいい?」
  1836. ~
  1837. 「もちろん!」
  1838. ~
  1839. やったー! 
  1840. もう一度淳子ちゃんとデートの約束ができたぞ!
  1841. ~
  1842. ;
  1843. #280
  1844. そして、次のデートの日をぼくは待ち続けた。
  1845. ~
  1846. あまりの待ち遠しさに……。
  1847. ~
  1848. ;
  1849. #281
  1850. 淳子ちゃんのこんな姿まで思い描いてしまったことも。
  1851. 今度のデートでは、いっそこの妄想を実現してみせるぜ!
  1852. ~
  1853. ;
  1854. #282
  1855. 次のデートの約束もしておかなくて、本当にいいのか?
  1856. ~
  1857. ;
  1858. #283
  1859. 淳子「じゃあ、そのうちまた連絡するわね」
  1860. ~
  1861. けっきょく、次のデートの約束をしないまま淳子ちゃんは
  1862. 帰っていった。
  1863. ~
  1864. その日から一ヶ月。淳子ちゃんからの連絡は
  1865. 来ていない……。
  1866. ~
  1867. ;
  1868. #284
  1869. 淳子「えっ、私のうちに? ごめんなさいっ!
  1870. それだけはカンベンして、ね?」
  1871. ~
  1872. ここまでいやがられると、さすがについてはいけないな。
  1873. ~
  1874. ;
  1875. #285
  1876. けっきょく淳子ちゃんは帰っていった。
  1877. ~
  1878. 「あーあ、どうしてもうひと押しできなかったんだろう。
  1879. ひょっとしたら最後の最後で、淳子ちゃんもOKしてくれ
  1880. たかも知れなかったのに……」
  1881. ~
  1882. とにかくみんな、あとの祭り。
  1883. またやり直すしかないのかな?
  1884. ~
  1885. ;
  1886. #286
  1887. 淳子ちゃんの表情は、複雑に見えた。
  1888. ~
  1889. ぼくの最後の誘いを待っているようにも見えるし、
  1890. ただのボーイフレンドとの別れを惜しんでいるだけにも見
  1891. える。
  1892. ~
  1893. ダメでもともと、やるだけやってみるか!?
  1894. ~
  1895. ;
  1896. #287
  1897. やったぞ、ラブホテルに入ることを淳子ちゃんがOKして
  1898. くれた!
  1899. ~
  1900. よーし、ホテルに入るぞーー。
  1901. ~
  1902. さて、泊まりと休憩、どっちにしよう。
  1903. ~
  1904. 財布と相談して決めないとね。
  1905. ~
  1906. ;
  1907. #288
  1908. 休憩を選択した。¥7000を払って、さっそく中へ。
  1909. ~
  1910. さあ、いよいよセックスだぞーー!!
  1911. ~
  1912. ;
  1913. #289
  1914. か、金が足りーーん!
  1915. ~
  1916. 絶対絶命かと思ったその時、
  1917. ~
  1918. ぼくは『ラブホテル・クーポン券』を持っていることを
  1919. 思いだした。
  1920. ~
  1921. これさえあれば百人力!
  1922. ~
  1923. さっそく券を使って、ホテルへゴー。
  1924. もちろんお泊まりだよ。
  1925. ~
  1926. ;
  1927. #290
  1928. 泊まりを選択した。10000円を払って、さっそく
  1929. 中へ。
  1930. ~
  1931. さあ、いよいよセックスだぞーー!!
  1932. ~
  1933. ;
  1934. #291
  1935. 「か、金が足りーーん!」
  1936. ~
  1937. 無念……。ここまでこぎつけて、ホテル代が足りないなん
  1938. て、なんて情けない。
  1939. ~
  1940. ガックリ肩を落として、落ち込むぼく。ところが……。
  1941. ~
  1942. 淳子「お金だったら心配しないで……」
  1943. ~
  1944. 「え?」
  1945. ~
  1946. 淳子「今日のデートで、私、あなたのこと、今までよりも
  1947. もっともっと好きになっちゃった。だから、私、あなたの
  1948. ことがもっとよく知りたいの。さ、行きましょ」
  1949. ~
  1950. 淳子ちゃんはそう言うと、財布から10000円出して、
  1951. フロントで払ってくれた。
  1952. ~
  1953. 大ラッキーー♥
  1954. ;
  1955. #292
  1956. もう最後の上映時間は過ぎています。
  1957. ~
  1958. ;
  1959. #293
  1960. もう閉館しているようです。
  1961. ~
  1962. ;
  1963. #294
  1964. プールはもう閉まっているようです。
  1965. ~
  1966. ;
  1967. #295
  1968. どうせなら、バーに誘いませんか?
  1969. ~
  1970. ;
  1971. #296
  1972. 淳子「みんな見てるじゃない。ふざけないで!」
  1973. ~
  1974. あああ。失敗だったな……。
  1975. ~
  1976. ;
  1977. #297
  1978. 淳子「ほんとは私、すごくおなかがへってたんだー。
  1979. 早くごはん食べたいなーって、ずっと思ってたんだから」
  1980. ~
  1981. しまった、こんなことなら、もっと早く食事に行くべき
  1982. だった。
  1983. ~
  1984. 失敗、失敗……。
  1985. ~
  1986. ;
  1987. #298
  1988. 淳子「えーっ! ショウユに決まってるじゃない!
  1989. 信じられなーい。センス疑っちゃうーー」
  1990. ~
  1991. そ、そこまで言わんでもヨカじゃないですか、
  1992. 淳子ちゃん!
  1993. ~
  1994. ;
  1995. #299
  1996. 「今の食事でなんとなく思いだしたけど、目玉焼きにかけ
  1997. るものって、普通はショウユだよね?」
  1998. ~
  1999. 淳子「そりゃそうよ。たまにソースかける人がいるけど、
  2000. 絶対ショウユよね!」
  2001. ~
  2002. ;
  2003. #300
  2004. けど、こういう話題って、けっこうマジになるもんだよな
  2005. あ。ここから話を広げるとしたら?
  2006. ~
  2007. ;
  2008. #301
  2009. 「けっこ玉子を使った料理って、好物なんだ。料理は玉子
  2010. に始まって玉子に終るってぐらい奥が深いしね。
  2011. でも、ほんとに好きなのは一番簡単な“ゆで玉子”だった
  2012. りして……」
  2013. ~
  2014. 淳子「へー、そうなんだ♥  ゆで玉子の好みは、半熟? 
  2015. それとも固ゆで?」
  2016. ~
  2017. ;
  2018. #302
  2019. 淳子「固ゆでが好みなんだ?  ハードボイルドってカンジ
  2020. ー♥」
  2021. ~
  2022. さて、ここで……。
  2023. ~
  2024. ;
  2025. #303
  2026. 「ははー。ゆで玉子のことなら、なんでも聞いてよね。と
  2027. にかくゆで玉子は、ゆでてすぐに水で洗わないと、カラを
  2028. むく時にうまくうす皮がむけなくなるんだよね」
  2029. ~
  2030. 淳子「わー、ものしりーー♥」
  2031. ~
  2032. けっこううけたみたいね。
  2033. ~
  2034. ;
  2035. #304
  2036. 「まあ、ぼくは根がハードボイルドだからね。だから、夏
  2037. でもトレンチコートと帽子が必需品さ」
  2038. ~
  2039. 淳子「え?  それってどういう意味?」
  2040. うわー、ものすごい不発!!
  2041. ~
  2042. ;
  2043. #305
  2044. 淳子「へー、半熟が好みなんだー。わたしと一緒ねーー♥」
  2045. ~
  2046. 淳子ちゃんが、半熟?  いいえ十分熟れてます。あ、意味
  2047. が違うか……。
  2048. ~
  2049. ;
  2050. #306
  2051. 「淳子ちゃんはどんな料理が得意なのかなー?」
  2052. なんて、質問をむけてみたところ……。
  2053. ~
  2054. ;
  2055. #307
  2056. 淳子「わたし、料理ってほとんどしないのー」
  2057. あ、なんだかしらけた雰囲気……。まずい質問をしちゃっ
  2058. たみたい。とほほ……。
  2059. ~
  2060. ;
  2061. #308
  2062. 淳子「ざんねん。はずれでーす。正解は背中の肉でしたー」
  2063. とほほ……。淳子ちゃんの前でいいところを見せられなか
  2064. った……。
  2065. ~
  2066. ;
  2067. #309
  2068. 淳子「あたりー。けっこうくわしいのね。今度、ぜひ連れ
  2069. ていってね」
  2070. ~
  2071. うーむ。一説によれば、焼肉屋にいる男女の75%ができて
  2072. いるといるが……。これは誘っているのか……!?
  2073. ~
  2074. ;
  2075. #310
  2076. 「そうだね、おいしい店を知っているから、今度いっしょ
  2077. に行こうよ」
  2078. ~
  2079. 淳子「わーい、ありがとう♥」
  2080. ~
  2081. 淳子ちゃんの真意はともかく、焼肉屋さんに行く約束だけ
  2082. はとりつけた。
  2083. ~
  2084. ;
  2085. #311
  2086. 「まあ、焼肉屋にいくのはエエが、焼肉でついた精の方は
  2087. 淳子ちゃんがちゃんと責任をもってくるのかな?」
  2088. ~
  2089. これが、焼肉おやじギャグだ!
  2090. ~
  2091. ;
  2092. #312
  2093. 淳子「やーん。モロおやじー。しんじらんなーい!」
  2094. ~
  2095. やっぱりものすごくひんしゅくをかった。無理もない……。
  2096. ~
  2097. ;
  2098. #313
  2099. 「淳子ちゃん、プロレス好きなの?」
  2100. ~
  2101. 淳子「うん。あなたはどう?  プロレスって興味ある?」
  2102. ~
  2103. ;
  2104. #314
  2105. 「あまり見る気がしないんだ。そんなにいいイメージがな
  2106. いしね」
  2107. なんて、答えたところ……。
  2108. ~
  2109. ;
  2110. #315
  2111. 淳子「あんまり見ないで嫌うなんてひどーい。そういう人
  2112. ってけっこう多いのよね」
  2113. ~
  2114. 淳子ちゃんは、目に見えて不機嫌になった。ちょっとまず
  2115. かったかな……。
  2116. ~
  2117. ;
  2118. #316
  2119. 「そんなに詳しくないけど、TVでやってたら見たりする
  2120. かな。あと、レスラーがバラエテイ番組とかに出てくるの
  2121. はけっこう面白いね」
  2122. ~
  2123. 淳子「そう。プロレスそのものが好きってわけじゃないの
  2124. ね。でもプロレスが嫌いじゃなくてよかった」
  2125. ~
  2126. ;
  2127. #317
  2128. 「昔はよく見てたんだけどなー。でも最近はゴールデンタ
  2129. イムとかでやってないから、あんまり見ないね」
  2130. ~
  2131. 淳子「そうそう。近ごろは深夜放送だもんねー。TVじゃ
  2132. 見れない団体もあるから、もうタイヘーン」
  2133. 大変て、どういうことなんだろ……。
  2134. ~
  2135. ;
  2136. #318
  2137. 「なあんだ。淳子ちゃんもプロレスファン好きなら、もっ
  2138. と早く言ってほしかったなあ」
  2139. ~
  2140. ;
  2141. #319
  2142. 淳子「え、あなたもプロレスファンなんだ。うっれしい♥」
  2143. プロレスファンって、同行の士に会うとなぜかすごくうれ
  2144. しがるんだよね。
  2145. ~
  2146. ;
  2147. #320
  2148. 淳子「最近のプロレスって、いろんなスタイルに別れてい
  2149. て、団体も多いでしょ。あなたはどんなスタイルに興味あ
  2150. る?」
  2151. ~
  2152. ;
  2153. #321
  2154. 淳子「いわゆるU系が好みなのね。たしかにあの空気がピ
  2155. ーンと張りつめている緊張感がたまんないわね。それにパ
  2156. ンクラスのフ×キさんとかリングスのマ×ダさんとか、
  2157. カッコいい人が多いのよねーー♥」
  2158. ~
  2159. ;
  2160. #322
  2161. 淳子「全日本と新日本のことかな?  TVで気軽に見られ
  2162. る団体だけど、会場での生観戦もいけるわよ。私は、ハー
  2163. ドな新日本も多彩な全日本もどっちも味わいがあって好き
  2164. なの」
  2165. ~
  2166. ;
  2167. #323
  2168. 淳子「やっぱり目を引くのはデスマッチよね。最初はエー
  2169. ってかんじだったんだけど、けっこうクセになるの。私、
  2170. やっぱりハデ好きなのかしら」
  2171. ~
  2172. ;
  2173. #324
  2174. 淳子「あら、インディーに興味があるなんて、しぶいわね。
  2175. 本当は詳しいんじゃない?  小さな団体のあの独特なムー
  2176. ドは、やっぱり応援したくなっちゃうわよね」
  2177. ~
  2178. ;
  2179. #325
  2180. 淳子「じゃあ、私がどんな選手が好きかわかる?  体格と
  2181. かのタイプでいいわよ」
  2182. ~
  2183. ;
  2184. #326
  2185. 淳子「そうなの。ガッチリしたタイプは好みだわ。パワー
  2186. ウォ×アーなんか、ちょっとあこがれちゃう」
  2187. ~
  2188. ;
  2189. #327
  2190. 淳子「そうねえ……。ガッチリした人が好みなんだけど、
  2191. スマートな人もそれなりにいいわね」
  2192. ~
  2193. 「細いというと、全日本のシガ・ケン×ロウとか?」
  2194. ~
  2195. 淳子「あはは。そんな若手を知ってるなんてホントに詳し
  2196. いのね」
  2197. ~
  2198. ;
  2199. #328
  2200. 「やっぱり大型でしょ?  ジャンボ・ツ×タとかウ×ダ
  2201. とか?」
  2202. ~
  2203. 淳子「うーん。特に好みってわけじゃないわね。でもあな
  2204. た、けっこう通なんじゃない?」
  2205. ~
  2206. ;
  2207. #329
  2208. 淳子「そうそう!  マスクマンの魅力ってあるわよね!
  2209. スペル・デ×フィン様なんてなんとも言えないわ。素顔も
  2210. すてきなのよ……たぶん」
  2211. ~
  2212. 淳子ちゃんは一人で盛り上がってるけど、みんなはこの話
  2213. 題についてきてるかな……。
  2214. ~
  2215. 淳子「何か言った?」
  2216. ~
  2217. 「い、いや、なんでもないよ……」
  2218. ~
  2219. ;
  2220. #330
  2221. 淳子「私、プロレスの話になるとけっこう熱くなっちゃう
  2222. の。でも、女の子がこんふうにプロレスの話をするのは変
  2223. わってるかな?」
  2224. ~
  2225. さて、何と答えよう?
  2226. ~
  2227. ;
  2228. #331
  2229. 「淳子ちゃんみたいな可愛い子がプロレスファンていうの
  2230. も、なんだかとっても魅力的だよ」
  2231. ~
  2232. ;
  2233. #332
  2234. 淳子「よかった。そう言ってくれて。そのうち一緒に見に
  2235. いこうね♥」
  2236. ~
  2237. ;
  2238. #333
  2239. 「たしかに女の子がプロレスファンだっていったら、世間
  2240. の人は変に思うかもね」
  2241. ~
  2242. ;
  2243. #334
  2244. 淳子「そうかもねー。でも私はプロレスファンで通すんだ
  2245. もーん」
  2246. ~
  2247. 「そうだね。人の目なんか関係ないもんね」
  2248. ~
  2249. ;
  2250. #335
  2251. 「そりゃ、やっぱり変だよー」
  2252. ~
  2253. ;
  2254. #336
  2255. 淳子「そうだ。私、前々から、ア×シ×ドの頭のてっぺん
  2256. をなでてみたいと思ってたのよねー♥」
  2257. ~
  2258. 「頭のてっぺん?」
  2259. ~
  2260. 淳子「そう。ねえ、あなた、わたしのためにア×シ×ドの
  2261. カッパヘアにしてくれないかなー」
  2262. ~
  2263. えー、つまりてっぺんを剃れってこと……。
  2264. ~
  2265. ;
  2266. #337
  2267. 「そ、それだけはかんべんしてー」
  2268. ぼくは必死になってあやまった。
  2269. さすがにカッパヘアにはなりたくない。
  2270. ~
  2271. 淳子「やだー、冗談よー。本気にするなんて、可愛いとこ
  2272. あるのね」
  2273. ~
  2274. 淳子ちゃんは、そう言って笑った。
  2275. 冗談か。あー、よかった……。
  2276. ;
  2277. #338
  2278. 「よし、きみのためなら、カッパヘアにもなれる」
  2279. なんて、半ば冗談のつもりで引き受けたところ……。
  2280. ~
  2281. 淳子「わー、うれしい」
  2282. なんと、淳子ちゃんはカバンからハサミを取り出すではな
  2283. いか……。
  2284. 「わー、嘘、ごめん、許してーー!!」
  2285. ~
  2286. ほんとにカッパヘアにされてはかなわない。
  2287. 必死になってあやまった。すると……。
  2288. ~
  2289. 淳子「ウソ♥  冗談よ。やだー、本気にするなんて」
  2290. 淳子ちゃんは、そう言って笑いとばした。
  2291. ~
  2292. 冗談か。あー、よかった……。
  2293. ~
  2294. ;
  2295. #339
  2296. 淳子「野球っていえば、最近私ロッテ・マリーンズを応援
  2297. してるんだー」
  2298. ~
  2299. ロッテとはまたしぶい。
  2300. さて、これに対して、何と答える?
  2301. ~
  2302. ;
  2303. #340
  2304. ところでロッテ・マリーンズのフランチャイズ球場がある
  2305. 場所はどこでしょう?
  2306. ~
  2307. ;
  2308. #341
  2309. ぼくは調子に乗って、自分がロッテファンだと嘘をついた。
  2310. 「けっこうぼくも応援に行くんだ。あの船橋のマリンスタ
  2311. ジアムへね」
  2312. ~
  2313. ;
  2314. #342
  2315. 淳子「マリーンズの球場は幕張にあるのよ。あなた、ホン
  2316. トはロッテファンなんかじゃないんでしょ。人にあわせて
  2317. いい加減なこと言う人って、私、嫌いよ」
  2318. ~
  2319. トホホ……。化けの皮がはがれて、淳子ちゃんに嫌われて
  2320. しまった。
  2321. ~
  2322. ;
  2323. #343
  2324. ぼくは調子に乗って、自分がロッテファンだと嘘をついた。
  2325. 「けっこうぼくも応援に行くんだ。あの川崎のマリンスタ
  2326. ジアムへね」
  2327. ~
  2328. ;
  2329. #344
  2330. 「ぼくもパ・リーグではロッテを応援してるんだ。今度一
  2331. 緒に幕張のマリンスタジアムへ応援に行こう」
  2332. ~
  2333. 淳子「わー、うれしい♥」
  2334. ~
  2335. やったぜ、ばっちり点数をかせいだぜ!
  2336. ~
  2337. ;
  2338. #345
  2339. 「ぼくもパ・リーグはけっこう注目してるんだ。
  2340. 特にイイチローの打撃はしびれるね」
  2341. ~
  2342. 淳子「へー、けっこうしぶい趣味してるのね。ステキ♥」
  2343. ~
  2344. ;
  2345. #346
  2346. 「ロッテ?  ははは。野球はやっぱり巨人だよ」
  2347. ~
  2348. 淳子「わー、ださーい。私、そんな言い方をする人が一番
  2349. きらーい」
  2350. ~
  2351. 嫌われてもいい。「野球は巨人!」これだけは譲れないさ!
  2352. ~
  2353. ;
  2354. #347
  2355. こ、これはいわゆるOKというやつかーー!!
  2356. よーし、こうなったらホテルへ……。
  2357. ~
  2358. ;
  2359. #348
  2360. おもいきってホテルに誘うと、淳子ちゃんは黙ってうなず
  2361. いた。
  2362. よーし、ホテル街へ移動だ!
  2363. ~
  2364. ;
  2365. #349
  2366. ホテル街についた。ラッキーなことにお目あてのホテルに
  2367. は空室があった。さて……。
  2368. ~
  2369. ;
  2370. #350
  2371. そ、そうか、もうこんな時間になっていたのか。これは一
  2372. 気に決めないと、淳子ちゃんとはただのお友達で終わって
  2373. しまうかもしれないぞ。ど、どうしよう?
  2374. ~
  2375. ;
  2376. #351
  2377. ほんとにそれでいいの?
  2378. ~
  2379. ;
  2380. #352
  2381. 悔いはないね?
  2382. ~
  2383. ;
  2384. #353
  2385. おもいきって淳子ちゃんをホテルに誘ったみた。
  2386. すると……。
  2387. ~
  2388. 淳子ちゃんは、黙ってうなずくではないか。
  2389. やった、OKが出たんだ♥  よし、ホテル街へ移動だ!
  2390. ~
  2391. ;
  2392. #354
  2393. けっきょくぼくは淳子ちゃんに拒否されてしまったわけだ。
  2394. もはや挽回のチャンスはない。
  2395. ぼくは去っていく淳子ちゃんの後ろ姿を寂しく見送った。
  2396. とほほほ……。
  2397. ~
  2398. ;
  2399. #355
  2400. 淳子「じゃあ、あなたはどんな格好した女の子が好きなの
  2401. ?」
  2402. ~
  2403. さて、なんと答えよう?
  2404. ~
  2405. ;
  2406. #356
  2407. 「うーん、やっぱりボディコンは男の永遠の憧れだね」
  2408. ~
  2409. 淳子「ボディコンかー。なかなかすたれないみたいね、そ
  2410. の線は。今度、着てきてあげるから、楽しみにしててね♥」
  2411. ~
  2412. ;
  2413. #357
  2414. 「最近は、ロリータ系の格好なんかにひかれるな」
  2415. ~
  2416. 淳子「ロリロリ系?  ちょっとおもしろそうね。今度着て
  2417. みようかな?」
  2418. ~
  2419. ;
  2420. #358
  2421. 「女子大生が就職活動のために着てるような、いわゆるリ
  2422. クルート・スーツ。ぼくはあれにムラムラくるんだ」
  2423. ~
  2424. 淳子「そ、それって、ちょっと特殊な趣味なんじゃない?」
  2425. ~
  2426. 淳子ちゃんは、ちょっとひいてるようにも見えた。
  2427. ~
  2428. ;
  2429. #359
  2430. 淳子「こんな所でなにするの!」
  2431. ~
  2432. 怒られてしまった……。まあ当然かな。とほほ……。
  2433. ~
  2434. ;
  2435. #360
  2436. 淳子「いきなり何をするのよ!」
  2437. ~
  2438. カンカンの淳子ちゃん。さすがにせっかちすぎたかな?
  2439. ~
  2440. ;
  2441. #361
  2442. 結局、普通すぎてシラケさせちゃったみたいだ。
  2443. ~
  2444. ;
  2445. #362
  2446. 淳子「そうね。いろいろ行きたいところはるんだけど、今
  2447. 日はあなたのセンスにおまかせよ♥」
  2448. ~
  2449. ;
  2450. #363
  2451. 淳子「わー、ありがとう♥」
  2452. ~
  2453. 見えすいたおせじだけど、やっぱり悪い気はしないみたい
  2454. だ。
  2455. ~
  2456. ;
  2457. #364
  2458. 淳子「うん、そうなの。ごめんねー」
  2459. ~
  2460. しょうがない。夕方までに淳子ちゃんを楽しませてあげよ
  2461. う。うまくいけば、また次のデートチャンスができるかも
  2462. ……。
  2463. ~
  2464. ;
  2465. #365
  2466. ぼくは淳子ちゃんに映画ポスターを買ってあげた。500
  2467. 円だった。淳子ちゃんはもちろん大喜びだ。
  2468. ~
  2469. ;
  2470. #366
  2471. 淳子「ふうん……」
  2472. ~
  2473. このまえ観たコメディ映画の話をしたけど、淳子ちゃんは
  2474. あまり興味なさそうだ。まあ、コメディのあらすじを話し
  2475. ても面白いわけないか。
  2476. ~
  2477. ;
  2478. #367
  2479. ぼくはアクション映画を観ることにした。
  2480. ~
  2481. ;
  2482. #368
  2483. ぼくはラブロマンスの映画を観ることにした。
  2484. ~
  2485. ;
  2486. #369
  2487. ぼくはポルノ映画を観ることにした。むふふふ。
  2488. ~
  2489. ;
  2490. #370
  2491. 指定席券を含めた料金4600円を払おうとした。ところ
  2492. がお金が足りない!
  2493. ~
  2494. 淳子「いいわ、私が出すから……」
  2495. ~
  2496. 足りない分は淳子ちゃんが出してくれたため、なんとか映
  2497. 画は観ることができた。しかし資金がつきたため、デート
  2498. はここまで。
  2499. さみしい気分でサヨナラした。
  2500. ~
  2501. ;
  2502. #371
  2503. 入場料3600円を払おうとした。ところがお金が足りな
  2504. い!
  2505. ~
  2506. 淳子「いいわ、私が出すから……」
  2507. ~
  2508. 足りない分は淳子ちゃんが出してくれたため、なんとか映
  2509. 画は観ることができた。しかし資金がつきたため、デート
  2510. はここまで。
  2511. さみしい気分でサヨナラした。
  2512. ~
  2513. ;
  2514. #372
  2515. 二人分の入場券を3600円払って買った。
  2516. ~
  2517. ;
  2518. #373
  2519. ポスターを買おうとしたものの、お金が足りなかった。
  2520. ~
  2521. 淳子「いいわ。足りない分は私が出すから……」
  2522. ~
  2523. なんとかポスターは買えたが、もうぼくは文無し状態。
  2524. もちろんデートを続けるわけにはいかず、淳子ちゃんとは
  2525. その場でサヨナラだ。とほほほ。
  2526. ~
  2527. ;
  2528. #374
  2529. 入場券を買ったぼくたちは、映画館の中に入った。そして
  2530. 映画が始まった……。
  2531. ~
  2532. ;
  2533. #375
  2534. 淳子「そうかもね、ふふっ」
  2535. なんてことを話しながら、映画館を出た。
  2536. ~
  2537. ;
  2538. #376
  2539. 「……そうね。プラネタリウムを見るには、あまり関係な
  2540. いけど」
  2541. ~
  2542. ううむ。つまらない話題に、淳子ちゃんのツッコミもなげ
  2543. やりだ。
  2544. ~
  2545. ;
  2546. #377
  2547. 入場料が二人分で2000円。ぼくはお金を払って、入場
  2548. 券を購入した。
  2549. ~
  2550. ;
  2551. #378
  2552. 入場料2000円を払おうとした。ところがお金が足りな
  2553. い!
  2554. ~
  2555. 淳子「いいわ、私が出すから……」
  2556. ~
  2557. 足りない分は淳子ちゃんが出してくれたため、なんとかプ
  2558. ラネタリウムを楽しむことができた。しかし資金がつきた
  2559. ため、デートはここまで。
  2560. さみしい気分で淳子ちゃんとサヨナラした。とほほ……。
  2561. ~
  2562. ;
  2563. #379
  2564. 淳子ちゃんは無言で、そっぽをむいてしまった。
  2565. ~
  2566. ;
  2567. #380
  2568. プラネタリウムのプログラムが進んでいった。落ち着きの
  2569. あるナレーションが、星に関する様々な話を教えてくれた。
  2570. そうこうするうちにプログラムが終了した。
  2571. ~
  2572. ;
  2573. #381
  2574. 淳子「何するのよ!」
  2575. ~
  2576. 頭をたたかれ、ぼくは正気に戻った。ああ、ぼくはなんて
  2577. ことを……。
  2578. ~
  2579. ;
  2580. #382
  2581. 淳子「恥ずかしいから、あんまり変なことしないでね」
  2582. ~
  2583. はい……。
  2584. ~
  2585. ;
  2586. #383
  2587. しかし代金を払おうとしたところ、お金が足りないことが
  2588. 判明した。
  2589. ~
  2590. 淳子「いいわ。足りない分は私が出すから……」
  2591. ~
  2592. 淳子ちゃんのおかげでその場はなんとかなったが、もうぼ
  2593. くは文無し状態。もちろんデートを続けるわけにはいかず、
  2594. 淳子ちゃんとはその場でサヨナラだ。とほほほ。
  2595. ~
  2596. ;
  2597. #384
  2598. 淳子「うん、そのうちね。でもグァムは前に行ったことが
  2599. あるから、別のどころに行きたいなー」
  2600. ~
  2601. そんなもんかな?
  2602. ~
  2603. ;
  2604. #385
  2605. 淳子「私も、まあまあ上手だったかな? やっぱり暑い夏
  2606. はプールが楽しみだったなーー」
  2607. ~
  2608. ;
  2609. #386
  2610. うう、淳子ちゃんも少しシラケてるよ。
  2611. ~
  2612. ;
  2613. #387
  2614. 淳子「そんなの悪いわ。それに、このあと持ち歩くのも大
  2615. 変だし……」
  2616. ~
  2617. あ、そうか。しかたない。プレゼントはなしだ。
  2618. ~
  2619. ;
  2620. #388
  2621. だが気がつくと、コインを交換するお金すらないぼく……。
  2622. こんなぼくにあきれた淳子ちゃんは、さっさと一人で帰っ
  2623. てしまった。
  2624. ああ……。なんて最低の幕切れなんだ……。
  2625. ~
  2626. ;
  2627. #389
  2628. ところが唄い終わっていざ会計という時、お金が足らない
  2629. ことが判明。ガーン。
  2630. ~
  2631. 淳子「いいわ。足りない分は私が出すから……」
  2632. ~
  2633. 淳子ちゃんのおかげでその場はなんとかなったが、もうぼ
  2634. くは文無し状態。もちろんデートを続けるわけにはいかず、
  2635. 淳子ちゃんとはその場でサヨナラだ。とほほほ。
  2636. ~
  2637. ;
  2638. #390
  2639. 淳子「わーい、プールだ、プールだ。水着を買っておいて
  2640. よかったわね。さ、入りましょ」
  2641. さっそく、淳子ちゃんは更衣室へ入っていった。
  2642. ~
  2643. ;
  2644. #391
  2645. 入場料4000円を払おうとした。ところがお金が足りな
  2646. い!
  2647. ~
  2648. 淳子「いいわ、私が出すから……」
  2649. ~
  2650. 足りない分は淳子ちゃんが出してくれたため、なんとかプ
  2651. ールに入ることができた。しかし資金がつきたため、
  2652. デートはここまで。
  2653. さみしい気分でサヨナラした。
  2654. ~
  2655. ;
  2656. #392
  2657. 魔法の水中メガネが威力を発揮した。ジャジャーン!!
  2658. ~
  2659. ;
  2660. #393
  2661. 淳子「わー、なんだか心がなごむわねえ」
  2662. のどかな気分で、鯉のエサを池に投げ込んだ。大きな鯉た
  2663. ちが、競ってエサを食べている。
  2664. ~
  2665. ;
  2666. #394
  2667. ぼくが買ってきたアイスクリームを、おいしそうに食べる
  2668. 淳子ちゃん。
  2669. (しかし、淳子ちゃんが丹念にナメてるのって、エッチだ
  2670. なあ……)
  2671. ~
  2672. ;
  2673. #395
  2674. 淳子「私とのデートはお金かかって困るってこと?」
  2675. ~
  2676. 「いや、ご、誤解だよ……」
  2677. ~
  2678. 失言だったな。それにしみったれた発言にも気をつけない
  2679. と。
  2680. ~
  2681. ;
  2682. #396
  2683. 「か、金が足りーーん!」
  2684. 無念……。ここまでこぎつけて、ホテル代が足りないなん
  2685. て、なんて情けない。
  2686. ガックリ肩を落として、落ち込むぼく。ところが……。
  2687. ~
  2688. 淳子「お金だったら心配しないで……」
  2689. ~
  2690. 「え?」
  2691. ~
  2692. 淳子「今日のデートで、私、あなたのこと、今までよりも
  2693. もっともっと好きになっちゃった。だから、私、あなたの
  2694. ことがもっとよく知りたいの。さ、行きましょ」
  2695. ~
  2696. 淳子ちゃんはそう言うと、財布から¥5000出して、フ
  2697. ロントで払ってくれた。
  2698. 大ラッキーー♥
  2699. ~
  2700. ;
  2701. #397
  2702. さて、なんと答えよう?
  2703. ~
  2704. ;
  2705. #398
  2706. 淳子「あっ、いいわね! 実は大好きなの」
  2707. ~
  2708. ;
  2709. #399
  2710. 「えー、やっぱりあなたにも偏見があるんだー。あーん、
  2711. あなたがそんな人だったなんて、ガッカリだわー」
  2712. ~
  2713. ;
  2714. #400
  2715. 淳子「あやまることないのに。それとも冗談であんなこと
  2716. したの?」
  2717. ~
  2718. ;
  2719. #401
  2720. 植え込みの横を見ると、そこには酔っぱらいが残していっ
  2721. たとおぼしき“お好み焼き”が! さすがのぼくも、一気
  2722. に押し倒すどころか一気に冷めてしまった。
  2723. 淳子ちゃんもイヤな顔してるし、とほほ……。
  2724. ~
  2725. ;
  2726. #402
  2727. 淳子「えっ、やだなあ。早く出ない?」
  2728. ~
  2729. よけいな不安をあおったみたいだ。失敗失敗。
  2730. ~
  2731. ;
  2732. #403
  2733. 淳子「そうねえ……。楽しかったわ」
  2734. ~
  2735. 言葉はいいけど、淳子ちゃんの表情はちょっとさえない。
  2736. あまり満足してないのかな?
  2737. ~
  2738. ;
  2739. #404
  2740. 淳子「とっても楽しかったわ。まだしばらく一緒にいたい
  2741. 気分よ」
  2742. ~
  2743. まあまあ、合格点かな?
  2744. ~
  2745. ;
  2746. #405
  2747. 淳子「ええ、お酒はあんまり飲まないんだけどー、あなた
  2748. についてくわ」
  2749. ~
  2750. ;
  2751. #406
  2752. 淳子「ちょ、ちょっと急すぎない?」
  2753. ~
  2754. ……失敗。
  2755. ~
  2756. ;
  2757. #407
  2758. バーの会計は4000円だった……。
  2759. ~
  2760. ;
  2761. #408
  2762. バーの会計は3000円だった……。
  2763. ~
  2764. ;
  2765. #409
  2766. 淳子「うーん、違うの。でもつれてってくれるなら、うれ
  2767. しいわね」
  2768. ~
  2769. けっきょく、正解は教えてくれないみたいだ。
  2770. ~
  2771. ;
  2772. #410
  2773. 「か、金が足りーーん!」
  2774. 無念……。ここまでこぎつけて、ホテル代が足りないなん
  2775. て、なんて情けない。
  2776. ガックリ肩を落として、落ち込むぼく。ところが……。
  2777. ~
  2778. 淳子「お金だったら心配しないで……」
  2779. ~
  2780. 「え?」
  2781. ~
  2782. 淳子「今日のデートで、私、あなたのこと、今までよりも
  2783. もっともっと好きになっちゃった。だから、私、あなたの
  2784. ことがもっとよく知りたいの。さ、行きましょ」
  2785. ~
  2786. 淳子ちゃんはそう言うと、財布から7000円出して、フ
  2787. ロントで払ってくれた。
  2788. 大ラッキーー♥
  2789. ~
  2790. ;
  2791. #500
  2792. 淳子「まだ晩ご飯には早いんじゃない?」
  2793. はい、そう思います。
  2794. ~
  2795. ;
  2796. #501
  2797. さーて、お次はどこに行こうかな……。なんて考えていて、
  2798. ぼくはとんでもないことに気がついた。もう財布の中には
  2799. 1円も残っていないのだ。
  2800. つまりぼくは文無し状態。とてもこの先デートを続けるこ
  2801. とはできない。
  2802. ~
  2803. というわけで、ぼくは淳子ちゃんと寂しくサヨナラした。
  2804. ~
  2805. ;
  2806. #502
  2807. 喫茶店代を1000円払って、外に出た。
  2808. ~
  2809. ;
  2810. #600
  2811. これからどうしようかな
  2812. ;
  2813. #601
  2814. これからどこへ行こうかな
  2815. ;
  2816. #602
  2817. い、いきててよかったぁー
  2818. ~
  2819. ;
  2820. #603
  2821. 「そういえば、ポーカーゲームで「SEX・奥義の書」を
  2822. 手に入れていたな。ホテルに入る前に見ておくか。」
  2823. ~
  2824. ;
  2825. #604
  2826. 淳子「カジノ?、おもしろそうね。」
  2827. ~
  2828. ;
  2829. #605
  2830. 淳子「カラオケ、なに歌おうか。」
  2831. ~
  2832. ;
  2833. #606
  2834. ;
  2835. #700
  2836. もう一回する?
  2837. ~
  2838. ;
  2839. #701
  2840. えー?泊まりなのに本当にしないの?
  2841. ~
  2842. ;
  2843. #702
  2844. 絶対?絶対しない?
  2845. ~
  2846. ;
  2847. #703
  2848. 楽しかった?
  2849. ~
  2850. ;
  2851.